クレール・ドゥニは、ジャック・リヴェットやヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュなどの元で助監督としてキャリアを積みました。
ジャック・リヴェットの創り出す世界観も非常に独特で美しいものですが、今作のドゥニの作風はどちらかというとヴェンダースやジャームッシュからの影響が色濃く出ている作品だと感じました。
本作の舞台となるパリ18区は芸術の街として有名です。
一方で、移民が多く住む町という一面もあります。
ストーリーは、実際にあった老女連続殺人事件を中心に、パリ18区移民の街の生々しい事情と暮らしを描く群像劇。
前半はうっとりするくらい色鮮やかでバチっと決まったフレームワーク、そして物事が暗転していく後半ではカメラも薄暗い色調へと陰を落としていきます。
音楽も良かったです。
ファッションや音楽にも詳しい人の撮る映画は、映し出すショットにもその感性が如実に現れています。
特に主演のエカテリーナ・ゴルベワが素晴らしかったです!