ゴリアテの憂鬱

オオカミの家のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.0
チリのストップモーション・アニメ。

ヤンシュバンクマイエルの影響も大きいのでしょうが、本作の方がもっと絵本的で観やすいです。

レオンとコシーニャによる本作の造形は素晴らしい。

パトリシオ・グズマンもそうですが、チリの映画監督は、自国の暗い歴史に焦点を当てた作品が多いのですかね。

本作でも、オオカミと少女マリアが、過去の軍事独裁政権時代に実在したカルト・コミューン「コロニア・ディグニダ」(児童虐待や政権と結びついての虐殺など酷いことをしていた)から逃げ出して来た少女とそれを追う教団の支配者のメタファーとして、当時の暗い歴史を描いています。