徹底的に人間。しかし、最近、是枝さんのやり口に気づき出し、新鮮さが減。
が、この映画も多くを望まないならば、ここが天国だと教えてくれた。
あとは子供たちが圧倒的にかわいい。
人のかわいいところも憎いところも、明の澄んだ鏡を通して見せてくれるから、ギリギリで許せる。画も秀逸で、気になるところこそ見せない（だって人はそうだから？）ことを徹底している感じがする。
そして、五感に焦点を当てているところもまたいい。これは感情・身体に対してどういった影響を及ぼすのだろう。まずは身体に同調し、その後心理に、という順序なのだろうか…？
脚本はそんなに強くない気がするが、伏線を3回くらい出す（土、飛行機、スーツケース、電話）ので、特に飛行場は、連れて行きたいところがあるんだ。で。土は、手・掬ってかける瞬間・かけ先（なめ程度）・音で良かろうと思う。
スーツケースは最後に回収されるだろうなと思っていたが、また引っ越しになっちゃうよというクダリはミスリードだったのか、、あの回収の仕方は圧巻だった。
このお話の誰をも憎むことができない。
そして生まれたこと、生きていることも憎むべきとは言えない。
ならば。
答えは彼らの中にある。
是枝さんのうつすものはいつも愛おしくて憎たらしい。
是枝さんは人、濱口さんは観念的な人生、みたいな違いがあると思った。
