当然のように第四の壁をぶち破ってきたり、ミュージカルが始まったかと思いきや、気づくと画面に死体が転がっているような脈絡のなさがそのままマリアンヌの生き様を表しているよう。
ストーリーはこれ以上なくシンプルなのに、あまりに型から外れた自由な語り口に脳がクラクラする。果たしてこれをオシャレという言葉で片付けてしまうのは適切なのか。
こういう刹那的な逃避行に憧れる気持ちもわかるけど、ピエロは本当にピエロだったんだなあと悲しくなる。ゴダールの楽しみ方が少しだけ見えてきたような気もするが、多分気のせいかな。トリコロールを思わせる鮮やかな色使いが印象的な映画でした。