異常なまでのテンポの良さから織り成される二転三転していくストーリー。スピード感とハチャメチャ具合で言えば24にも比肩するほど。
野郎共でごった煮にされたむさ苦しい拘置所に雨を降らせる場面だったり、賄賂での買収が不可能だと悟った男が一転攻勢して刑事を道連れにしようと企む展開など、特に必要性を感じない謎の時間が一番面白いという奇跡。このシュールさを意図して演出しているとしたら本当に天才的なバランス感覚。
社会派と聞いてファルハディやキアロスタミのようなイラン映画を想像すると肩透かしが凄いはずなので、エンタメに振り切ったクライムサスペンスだと思って見るのが正解。イランという国土の特色が活かされた割とクセになる世界観でした。