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気狂いピエロのncccoのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
4.2
ゴダールの中で一番好き!!
この色彩感!こんなにも色彩を味わう映画があるだろうか。
今観ても新しいって、すごい!!

鮮やかなトリコロールの中で飛び回るアンナカリーナが可愛すぎて眩し過ぎて。突然現れるピカソやらマティスやらの絵画に意味不明のベトナム女の扮装にぬいぐるみやオウム。意味なんてない。ただ、味わうだけ。でもすべての要素がいちいち小気味よく、この世界を引き立てている。

何にでも、その時に、その人が揃って同じ熱を持っていたからできたことというのがあるけれど、これはまさにその典型例だと思う。いろんな要素がアンバランスながらもピタッとハマり予期せぬ好循環で車輪が回って結果として間欠泉が噴き出してしまったような、そんな神がかった勢いがある。
だから、こんなにも引き付けられるんだと。
これは間違いなくこの時にしか作れなかった、ゴダールの真骨頂。
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