haru

21グラムのharuのネタバレレビュー・内容・結末

21グラム(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

人は死ぬと21グラム軽くなると言う。
21グラム分、何を失う?

突然の事故で夫と娘2人を失ったクリスティーナ。ドラッグと酒に溺れる彼女を救おうとするポール。そして事故を起こしてしまったジャック。

デルトロ目的だったけど、ナオミワッツが意外に良かった!前半の家族を失った悲しみから、後半の犯人への憎しみ、理屈でなく抑えられない感情を爆発させるクリスティーナに涙が止まりませんでした。
そして事故当日、クリスティーナの夫の心臓を移植され命を救われたポール。彼はお礼を言いたくてドナーを探すんだけど、事故で打ちひしがれたクリスティーナを見てどうにか彼女を救わねばと思う。自分の命は誰かの不幸で成り立っている。彼は悪くないのに彼女にまるで罪の意識を感じているみたい。
事故を起こしたジャックは昔は刑務所の常連だったが、今はすっかり改心し、家族にも恵まれ、幸せな生活を送っていた。ところが故意ではない事故により再び刑務所へ。罪の重さに耐えきれず、出所後家族からも離れ、一人で生きていく。

3人の人生は事故が起こらなければ決して交わることはなかった。クリスティーナとジャックにとって事故は最悪の出来事なんだけど、ポールは事故がなければ生きることができなかった。(後に拒絶反応起こしちゃって結局死んでしまうのだけど)彼は術後ドナーに興味を持たず、新しい人生を謳歌していれば良かったのにって思ったりもした。けど彼が死ぬときに失った21グラムにはクリスティーナへの感情も含まれていただろうし、クリスティーナもポールとの子供を身籠ったことで救われた感があるし、ジャックもクリスティーナにボコされたおかげで自分と向き合うことができたわけで、ポールの行動は3人に希望を与えたことになる。そういった意味ではポールの望みは叶えられたということだろうか。
それでも人生は続いていく。何が起ころうと人は希望を見いだし生きていかなければならない。

21グラムは生きる重さ。感情とか思い出とか生きてるときに心に刻んだものはあの世にもってけるのか。
haru

haru