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悪魔の街の一のレビュー・感想・評価

悪魔の街(1956年製作の映画)
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面白いな~!チンピラ深江章喜カワイイムービーか、はたまたチンピラ芦田伸介カワイイムービーかという期待をよそに、義理と良心と疑心が押し引きするヒリついたノワールへ。柄にもなく善悪の狭間で揺らぐ河津清三郎もイヤったらしい刑事・河野秋武の造形ももちろん好きだが、やっぱり菅井一郎のアグレッシブな極悪ぶりが輝く。撃った刑事をプールに落とし入れる水面反射ショット、かつて自分を逮捕した交番巡査をわざわざ轢き殺す車窓スクリーンプロセス、ケレンがあってイイ。クライマックスの石油コンビナートのロケーション最高。河津がラストに見せる笑顔のような苦悶の表情も絶品。
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