ユースケ

ハイテンションのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ハイテンション(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

階段の手摺りの格子に頭を押し込まれ、棚で頭を押し切られるお父さん。カミソリで喉を横一文字されるお母さん。子供も犬も容赦なく虐殺。
笑っちゃうほど凄まじい出血量を笑いに変えさせない張り詰めた緊張感でホラー映画が本当に怖かったあの頃の感覚に戻れる本作は、変態イケメン監督アレクサンドル・アジャの才能とフレンチ・スプラッターの存在を世に知らしめた一本。

みどころは、恐怖や不安を掻き立てるアレクサンドル・アジャの巧みな演出と【サンゲリア】【ビヨンド】【墓地裏の家】など、ルチオ・フルチ監督作品で小汚いゾンビを作り出したジャネット・デ・ロッシのゴアゴアな特殊メイク。

更に、マリー(セシル・ドゥ・フランス)の視点で物語を描き、マリーを主人公だと思わせておいて、最後の最後でアレックス(マイウェン)の視点で物語を描き、マリーが現実と妄想が入り混じるDID(解離性同一性障害)のヤンデレ娘だった事をぶっちゃける物語の構成はエンドロールで流れるMuseの【New Born】の歌詞も相まって鳥肌もの。若干25歳にして本作を撮り上げたアレクサンドル・アジャの手腕には脱帽です。

とりあえず、ネタバレ全開のDVDのパッケージをデザインした奴は階段の手摺りの格子に頭を挟み込んで棚で頭を押し切ってやるから出てこいや。

ちなみに、アレックスを演じたマイウェンは、リュック・ベッソンの元嫁で、【フィフス・エレメント】の宇宙人オペラ歌手の人です。