ピュンピュン丸

モダン・タイムスのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

モダン・タイムス(1936年製作の映画)
5.0
志村けんを思い出すと加藤茶を思い出し、加藤茶を思い出すと、どうしてもチャップリンを思い出してしまう。笑

やっぱり面白い。表情、動き、テンポ、どれをとっても彼に勝るコメディアンはなく、そしてテーマ性が綺麗に織り込まれている。

テーマ性といえば、チャップリンはこの映画で資本主義を批判したとされ、その後、アメリカ映画界を震撼させるレッド・パージの標的にされてしまう。エリア・カザンは『波止場』で組合批判をすることで追及を免れる・・・。哀しいかな、映画は政治と無関係ではいられない宿命を背負っているのだ。

本作は、チャップリン初のトーキー映画で、彼の肉声が初めて聞けた作品。映画は国境を越えたエンターテインメントであるとし、サイレント映画に最後までこだわったチャップリンは、この映画でも最小限のセリフのみ音声にし、しかもはちゃめちゃな外国語の歌詞を言うだけにした。なんていう反骨精神だろう。まるで、

「ほらね、いい映画に音声なんていらないんだよ」という声が聞こえてきそう…。

チャップリンは自分の映画の主演女優とことごとく恋仲になり、結婚までしてしまうが、この主演女優のポーレット・ゴダードとは、勿論結婚し、そして生涯の伴侶としている。元祖年の差婚で、その点も加藤茶から連想してしまう…。

若い頃の写真を見るとビックリするが、チャップリンはトレードマークのチョビヒゲをとると、実はコメディアンとしては不利なほどの美男子なのだ。

ところで、これは完成度高く、自分的にはチャップリン映画の中でも最も好きな作品。特にウェイター役がイイ!

カフスはね~、最高だよー。(^○^)

そして最後は生きる勇気をもらえる 。