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モダン・タイムスのxavierのレビュー・感想・評価

モダン・タイムス(1936年製作の映画)
4.5
チャップリンって、意外に運動神経が良いんだなぁ…
文明という名の機械化の波があれよあれよと言う間に押し寄せてきた1930年代。
工場で働くチャーリーはスパナを片手に次々と流れてくるベルトコンベアーの部品のネジを締めていた。ところが絶え間なく流れてくる部品を見ているうちに段々、彼の頭がおかしくなっていき…
ストーリーはこんな感じ。
前アカウントと合わせると、この作品で2000本目のレビューになりました(前アカウント1572本、今のアカウントで428本)
という訳で大好きなチャップリンの作品をチョイスしてみました。

この"モダンタイムス"は機械文明に対して痛烈な風刺を込めた作品と言われてますが
個人的には"人生の意味"を描いた作品だと思います。
確かに作品の序盤は工場で監視され休む事も無く流れてくる部品のネジを締める…って感じで機械に操られてる感があります。
まぁ、あんなスピードで流れてきたら、処理するだけで精一杯。それが絶え間なく続いたら、精神がどうにかなるのも解る。
女の人のスカートのボタンですらネジに見えるようになるんだからね。
でも、風刺のパートはここまで。
それ以降の話は、感じが変わります。
色々あったチャーリーはパンを盗んで逃げていた少女と出会います。そして、その事はその後のチャーリーの運命を変えていくんだよね。
チャーリーは少女を愛するようになり、2人は粗末な掘っ立て小屋風な家で暮らし始め、そこでチャーリーはちゃんと働き、ちゃんとした家を建てようと考え始めるんだわな。愛する人が出来て解った働くことの意味。そしてそれが工場で働いていた時とは違い、嫌々では無く生きがいになった事
それだけでも、チャーリーにとっては大きな変化だったなぁと思うしね(でも上手くいかないんだけどね)

そしてこの作品も多いに笑わせてくれました。静かなところでお腹の音を気にするシーンや、でたらめな歌を高らかに歌うシーンも笑えたけど、1番面白かったのは自動飲食機械のシーン。猛スピードで回るトウモロコシにはチャーリーの歯が折れるんじゃないかと心配しながらも大笑いだったなぁ…
後レビューの冒頭にも書いたけど、チャーリーの運動神経の良さ!ローラースケートを滑らかに操る操る。1番ビックリだったのは、目隠しをしたまま手摺のないフロアをローラースケートで滑るシーン。多分、目隠しが薄くて見えてるんだろうけど、それにしてもギリギリの所まで躊躇なく滑って行くのはホント凄かったわ!

チャップリンの作品"ライムライト"のセリフで人生についての名言がある
"人生を恐れてはいけない。人生に必要な物は勇気と想像力と少々のお金だ!"
それを思わせるラストシーン、良かったなぁ…
それもバックには名曲"スマイル"が流れてるなんて…最高!
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