しろくま兄サキス

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのしろくま兄サキスのレビュー・感想・評価

4.0
【これぞ全共闘世代の理想郷、シャングリラなのだー!】
公開当時劇場鑑賞。当時の自分は他の大勢と同じく学生運動のガの字も知らぬ、ボンクラオタク大学生。みんな大好きラムちゃんあたるがいつもの仲間となんかわちゃわちゃやってて最後「ダーリンのバカーー!(電撃)」で終わって、はー面白かった。え?押井守監督?誰それ?

37年振りに再鑑賞。おお?!メガネの語るセリフの一言一言がガチ左翼で声出して笑った。友引高校の仲間同士しょっちゅう内ゲバしてて、総括せよ(笑)。
衣食住の心配なく、請求書もなく、気のあった仲間と愛する人々で続ける永遠の学園祭の前日。これを共産主義の理想と言わずなんと言おう。だが、アニメ作りの現実は待ってはくれないのだ。1984年、バブルが始まろうかというこの時期、学生運動の残滓を引きずる宮崎監督はナウシカを、押井監督がビューティフル・ドリーマーを撮ったのはあながち偶然ではないのかもしれない。