爆裂BOX

ミュート・ウィットネスの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ミュート・ウィットネス(1995年製作の映画)
4.1
口のきけないビリーはアメリカからモスクワへ姉カレンの恋人アンディのホラー映画で特殊効果を担当する為渡っていた。撮影終了後のセットへ忘れ物を取りに来たビリーはそこで殺人現場を目撃してしまう…というストーリー。
ホラー映画の撮影現場で働く女性がスナッフビデオの撮影現場に遭遇して命を狙われるサスペンス・スリラーです。アンソニーウォラー監督のデビュー作ですね。
前半のスナッフ撮影現場を目撃してしまったビリーがスタジオ内を犯人から逃げ回るシーンは緊迫感みなぎっててハラハラさせてくれます。ビリーを正面に捉えて、画面の奥から犯人が迫ってくるショットや、逆に犯人が画面の近くに居て、奥の方に逃げるビリーを捉えたショットもハラハラ感を増幅させてくれます。エレベーターシャフト内にぶら下がったりして何とか見つからないようにする所も良いですね。
ただでさえビリーが耳は聞こえるけど口はきけないというコミュニケーション困難な設定の上に、舞台となるのがビリーにとっての異国モスクワなので、言葉もわからないというハード設定。犯人は現地の人間なので警察相手にも円滑にコミュニケーション取れて、全部ホラー映画の撮影の為で特殊効果試してたとか偽装も図られるんですね。
後半の犯人がビリーの部屋に押し入って来ての攻防も緊迫感あります。ナイフガンガン投げまくるビリーはちょっと怖かったけど(笑)階下の住人が騒音に腹立てて箒でガンガンついたりするシーンも面白い。
ビリーの姉カレンと恋人のアンディは主にコメディリリーフ的な役回りでしたが、アンディは全然役立たないけど、カレンが強かったですね。悪徳警官や犯罪組織の人間隙見て倒したり、刑事ボコボコにしたり。
スナッフビデオの製作に巨大な犯罪組織が関わっていて、後半は重武装した組織の人間が何人も現れたりしてどうなるかとハラハラさせられました。
この犯罪組織を追っていてビリーを助けてくれる刑事も敵か味方か最後の方まで引っ張たりして緊張感感じさせてくれます。でも、この刑事さんビリーに手錠かけられたりカレンにボコボコにされたり損な役回りだったな(笑)
ビリーを演じた女優さんも清楚系な美人さんで、覗きをしてた隣のマンションの住人の注意をひいて助けを呼ぼうとしたときや、車の中で着替えるシーンでオッパイサービスあり。
「殺されると分かった時の犠牲者の表情」が最後の車の爆発につながるラストも伏線効いてて良かった。
コメディ成分ありつつ緊張感あって最後まで楽しめるサスペンス作品でした。