<概説>
ウッドハウス夫妻はいい隣人に囲まれ、順風満帆な夫婦生活を送っていた。しかしその周辺で連続する不審な出来事が、妻ローズマリーの胸中に不審を募らせていく。
<感想>
この一年後のテート・ラビアンカ殺人事件で監督の妻が惨殺された経緯を考えると、本作がただ怖いと一言で済ませていいものか複雑な気分です。
物語の主軸はミア・ファロー演じる妻ローズマリーとその赤子。赤子の方は作中でほとんど出番はないのですけれど、きちんと登場します。
その赤子に対してローズマリーがどうしたか、というのが本作の見所。なのですが。前述したマンソン・ファミリーによる事件ではテートは腹の胎児ごと殺害されているのですよね。
作中のローズマリーは艱難辛苦の中にあっても赤子を産むという母の責務は果たした。一方で現実のシャロン・テートはそもそも赤子を産み落とすことすら叶わなかった。
監督が制作の時点でこの事実を知るすべなどないのですが、それでもこれを対比として意識すると視聴後如何ともしがたい感情に襲われました。