皿鉢小鉢てんりしんり

インディアン・ランナーの皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

インディアン・ランナー(1991年製作の映画)
4.0
ハリウッド俳優の監督作特有の、“映画を撮るのが上手い”とかいう次元とは全く別の良さに溢れている。
(イーストウッドは例外で、良くも悪くもあの人は”映画を撮るのが上手い“の側に行ってしまった……)

西洋人が兄弟を描くと十中八九「放蕩息子」系統の話になるので、その点の題材的真新しさは特にないが、今作のヴィゴはそうした”意味“以上の表現を存分に引き出している。

今にも壊れそうな不穏さが全編に渡って付きまとうが、「人と人は決して分かり合えない」ということが分かる瞬間が、余りにも爽やかに描かれるラストには救いがある。