これはダンテの『神曲』のエロ版だ。
フェリーニにとっての地獄として過激なフェミニズムが現れ、案内人に連れられて煉獄へ。
そこで罪を償っていよいよ天国へ、という所で目が覚める。
揺れる列車はセックスのメタファーだと、昔誰かが言っていた。
トンネル、貝、花、枯れた大木、車、飛行機、銃、産道のような滑り台…。
作中フェリーニが妻に言われたであろう罵詈雑言がそのまま出てくる。
ゴダールも『気狂いピエロ』でアンナ・カリーナに同じ事をさせていたが、バカな男の性を素直に映画にしてしまう気概は、呆れを通り越して最早清々しい。
アンチフェミニズムに見せかけた、フェリーニの人生大反省会なのか、一生治らぬ性の正当化なのか…。