明石です

光る眼の明石ですのレビュー・感想・評価

光る眼(1995年製作の映画)
3.3
人口2000人の小さな町で、突然町民全員が意識不明となり、失神している間に女性が集団妊娠。光る眼を待つ子供が産まれてきて町が大惨事に見舞われるお話。

『物体X』のリメイク版で世界中を沸かせたジョン・カーペンター氏ですが、本作も同様に古典SFホラーのリメイク。しかしラズベリー賞のワーストリメイク部門にノミネートされるほどの叩かれっぷり、、Filmarks上でも評価の低い本作ですが、普通に楽しめました。

境界線を一歩越えると失神する謎のエリアができてしまうという、Sキングの『アンダー・ザ・ドーム』を思い出すような幕開け(昔Huluで配信されててハマったやつ!)。境界の中にいた女性が、処女も含めてみな集団妊娠。産まれてきた子供が大人たちを自殺や事故に追い込んでいくという展開に。1つの意思を共有する心のない子供とは、これまた楽しい設定ですね。論理の届かないストーリーにワクワクしっぱなしでした。

そして光る眼を持つ子供たちのビジュアルが神秘的なのもツボ。真っ白おかっぱの子供たちが、モノカラーの服を着て肩を並べ迫ってくる絵は相当なインパクトあり。目だけで人を操ったり爆発を起こしたりするという、ダイナミックな体の動きがほとんどない感じは、クローネンバーグの『スキャナーズ』を思い出した。アクション要素無しの超能力サイキックバトル。

序盤から重厚な低音に、子供の囁きを混ぜた巧みなBGMで不安を煽ってくるスタイルの本作。壮大過ぎず不気味過ぎず、なぜか安心して聴いてられる。また平時のアコギ演奏によるゆったりした曲も好き。カーペンターの映画は本当に音楽が素敵なのです。。

ただ効果音の使い方は、安い特撮映画みたいでちょっと残念でした。子供の目が光る場面で、シャキーン!とかシュイーン!とか大きな音鳴らすのは若干安っぽい気がした笑。もっと洗練された音響はなかったのかしら。これではB級映画認定されちゃいそう。

そしてラストは圧巻のやっつけ感。。エンドロールが流れてきた瞬間、え、終わり?と心の中で突っ込まなかった人、ほとんどいなさそう笑。竜頭蛇尾とはまさにこのこと…ラストを見て☆0.5くらい下げました笑。

——好きな台詞——
「不可能なものを消去していき残ったものは、どれだけ不自然に見えても真実である(byコナンドイル)」
明石です

明石です