アラジン

ロード・オブ・ウォーのアラジンのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
4.0
戦争をビジネスとし対立する双方へ武器商を行ういわゆる「死の商人」が題材。
奥深い内容で色々と考えさせられる作品。
オープニングからなかなか衝撃的な始まりで、1発の銃弾目線で製造工程から戦場へ届けられ実装され発射…弾は少年兵の脳天ぶち抜き役目が完了するという。。。

武器商人となり商才を発揮していき、Lord of war(戦争の王)と呼ばれるようにまでなった主人公ユーリー(ニコラス・ケイジ)が過去を語るカタチでストーリー展開される。

運命の出会いを演出し憧れの女優エヴァまで射止めてしまう破産覚悟の金の使い方と豪快な嘘と帳尻合わせしちゃうビジネス力には憧れてしまうわ。
転機となったのは冷戦が終結しソ連崩壊による祖国ウクライナ開放で基地司令官である叔父の少将と結託し大量の軍事兵器を売買するなどでウクライナからの略奪はなんと320億ドル相当だと!
その後のアフリカ紛争地帯でのリベリア独裁政権を築く大統領ファミリーがやべぇ奴過ぎるねー!エイズ感染大国なのだが明日死ぬかわからない国なので10年後に死ぬかもしれない病気などは恐れていない描写がまたエグイ。

相棒の弟ヴィタリーは燻っていた現状から抜け出すため兄に協力しているがどこか犯行には否定的なスタンスで商品である武器が人命が奪われることに心を痛める青年であり、一時コカイン中毒となってしまうも施設入所を経て平凡な日常に戻るが最終的には再度兄に誘われ同行した商談先のアフリカの地で自分達が売った武器で奪われる難民の命を救うべく行動し無惨な最後を遂げる。。。

エヴァ(奥さん)が尾行して秘密のコンテナで真実の確たる証拠を発見するのだが、売れたはずの自身の絵画まで見つけてしまうシーンも胸が苦しいね。

インターポール(国際刑事警察機構)のバレンタイン捜査官(イーサン・ホーク)との法解釈のバトルも見物だ、違法行為も合法的に欺いたり合法的な24時間の青空拘束など。
最終的には弟の遺体に残った弾丸により違法武器輸出の罪で身柄を確保されバレンタインの執念の勝利となる処だが…国にとっての必要悪(表沙汰にできない武器輸出の委託を受けている)との事で無罪放免釈放だとよ。

そう、この映画は武器商人が世界を受け継いでいるが実は最大の武器受給者は国連安保理の常任理事国である米・英・露・仏・中の5か国であり、敵の敵に武器を売り戦争で国益を得ているカラクリがあり世の中から戦争がなくならないのだという警鐘作品であることがラストのテロップで流れる。
戦争の王ユーリーが行った膨大な武器売買も米国の年間売買量と比べたらたったの1日分に過ぎないというから驚きである。
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