ユースケ

エイリアン2のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

エイリアン2(1986年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

前作で、宇宙貨物船ノストロモ号を爆破し、エイリアンを宇宙に吹っ飛ばし、意気揚々ハイパースリープに入ったリプリー。
しかし、脱出艇ナルキッソス号は誰にも発見されることなく宇宙を57年間も漂流し、地球に残した幼い娘はババアになって死亡し、彼女に残ったものはノストロモ号を弁償するための莫大な借金だけだった。
「This time it's war.(今度は戦争だ)」こうなったのは全部エイリアンが悪い。落とし前をつけるためにエイリアンの巣食う惑星へ殴り込みをかける覚悟を決めるリプリー。今、リプリーとエイリアンの仁義なき戦いがはじまる。

たったひとりでエイリアンの巣を壊滅させ、パワーローダーを身に付け「Get Away From Her, You BITCH!(離れろ、バケモノ!)」とクイーンエイリアンに啖呵を切るエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)をはじめ、牛乳まみれの姿も凛々しいアンドロイドのランス・ビショップ(ランス・ヘンリクセン)、男よりも男らしい女海兵隊員のジェニット・バスクエス(ジェニット・ゴールドスタイン)など、漢気溢れる登場人物のキャラ立ちが素晴らしい。ヘタレでポンコツだったスコット・ゴーマン(ウィリアム・ホープ)の漢気自爆にはグッときました。
ドウェイン・ヒックスを演じたマイケル・ビーンとウィリアム・ハドソンを演じたビル・パクストンのジェームズ・キャメロン監督のお気に入り俳優も要チェックです。

更に、レシーバー部分に弾薬残量を示すデジタルカウンターを設置し、グレネードランチャーや火炎放射器としても使えるM41Aパルスライフルや腰だめで撃ちまくり、全てを破壊する巨大なM56スマートガンなど、ガンマニアのジェームズ・キャメロンがデザインしたオリジナル武器も秀逸。ドロップシップ(降下艇)やクイーンエイリアンのデザインまで手掛けるとはさすが完璧主義者です。

イギリスの映画雑誌【エンパイア】において史上最高の続編映画に選ばれた本作ですが、海兵隊にガンガンぶち殺されるエイリアンから神秘性は失われ、単なるモンスターに成り下がってしまった事やプロットが【放射能X】のパクリという事はせっかくの盛り上がりに水を差す事になるので胸の奥にしまっておきます。エイリアンの頭部を覆っていた半透明のフードだけは外さないで欲しかったな。

ちなみに、アンドロイドのランス・ビショップは、初監督作【殺人魚フライングキラー】でクリーチャーの制作を手伝い、出世作【ターミネーター】でアーノルド・シュワルツェネッガーにターミネーター役を譲ったランス・ヘンリクセンのためにジェームズ・キャメロンが用意した渾身のキャラクター。この経緯を知ってから鑑賞すれば、ビショップが吐き出す牛乳が煌めいて見えると思います。

【完全版】のみどころ…ババアになったリプリーの娘アマンダの写真、フェイスハガーに取り付かれたニュートの父親、エイリアンを撃退するセントリーガン、ファートネームで呼び合うリプリーとヒックスなど、盛り沢山。ジェームズ・キャメロンは【完全版】の方がお気に入りだそうです。