このレビューはネタバレを含みます
統合失調症の男が次々に女を殺す。
トラウマとはよく言うが、ここまでひどいトラウマはなかなかない。
小人や身体に欠損があったり、耳が聞こえない障害者を売り物にするサーカス。
象の死とその屍を貪る人間たち。
身体にナイフを突きつけられ、無理やり入れられた刺青。
全身に刺青をいれた女とナイフで戯れる父親。
両親のセックス。
教祖である母親の凄惨な死。
目の前での父親の自殺。
異文化や、少数派に対する理解を「強制する」波が押し寄せてきている。
だが、それらを享受し、普及させ、腐らせない努力をどこまでする必要があるのだろうか?
波は、ありとあらゆる権利に侵略する。弱者こそ保護され、優先される。
彼もまた「異常な」環境を考慮されるだろう。心に居座った両腕のない母親の呪縛から解放され、陽気な音楽を奏でる小人はもういない。
彼は現実の中で警察に捕らわれ、監獄に入れられ、人生の墓場で、解放される。