このレビューはネタバレを含みます
シリーズ3作目。湾岸署の移転作業中に3丁の拳銃が盗まれる。盗まれた拳銃で殺人事件が起き、青島が逮捕した勾留中の犯人を解放せよと要求される。
シリーズを一新した感じ。警察組織が内包する問題点、現場と本庁の乖離をテーマとして描いてきた過去2作と掛け離れたテーマ。悪くは無いんだけども前作が大団円で終わっただけに蛇足感が強めでファンムービー要素が強すぎる。
1作目で登場した日向真奈美にフォーカスした今作は、“人間が潜在的に秘める凶悪性“を前面に出していたかなと。日向真奈美を心酔する者、共感して共鳴してしまう者、そして日向真奈美本人も自身の死を持って神格化を試みる。
警察組織の闇に振り回されて、その解決策を模索してきた“踊る大捜査線“シリーズとは少し毛色が違って宗教的な警察映画になってしまったな。
年月が経ってしまい登場人物を一新する必要があったのは分かるが、強行犯係のメンバーが個性強め(悪い意味で)のメンツになってしまったのは非常に残念。特に和久さんの甥っ子があまりにもノイズ過ぎて本当に要らない。
「俺には部下はいない。仲間だ。」
このセリフが今作の名セリフパートだと思うが、警察はあくまで縦割り組織。その中で上と下の役割を明確にする事がテーマのはずだが、全員仲間の仲良しこよしという意味合いに捉えてしまい個人的にはハマらなかった。
青島と室井の関わりも極端に少なくなってしまって物足りなさが強かったし、真下も交渉人の姿がかっこよかっただけにガッカリ。
2024.10.14
個人的評価:良作