はま

ビースト・ストーカー/証人のはまのレビュー・感想・評価

3.5
なんぞこれ… やるせない… 感情のぶつけどころが分からない… でもこの感情こそノワール映画の醍醐味。素晴らしい。

ツェー出演作で1、2を争う評判だったので相当期待してしまったんですが、最初はそのせいで「そうでもないかな?」って思った。
でもなんかこう… 色々と繋がってくると「あああ……」って(スッキリというよりは余計モヤモヤ)なってくる。
多分これは「観終わった後にジワジワくるタイプ」の映画だと思います(今まさにジワジワ)。

【刑事が容疑者を追い詰めた際に奪ってしまった少女の命。見えない重荷を背負い続ける刑事と、少女の遺された妹と、2人に襲いかかる男。】

ちゃんと「ニコラス・ツェー主演」なんですけど、おそらく観た人の全員に強烈な印象を残したのは、この映画で言うところの"ビースト・ストーカー"、ニック・チョンさん。

右目に負った傷のせいで、何もしてなくてもどこか恐ろしい雰囲気。
そんな彼が暗闇から迫り来る画は本気で怖かった。ホラー映画かと思いました。
…これだけで十分記憶に残るけど、怖いだけじゃないのがこの映画のすごいところ。

彼以外にも言えることだけど、それぞれのキャラクターが抱える気持ちがべらぼうにデカイ。
それが結局、結末観た後の「なんぞこれ… なんぞこれ…」になるんですけど、よくもまぁこんな人間ドラマを書いたなぁと。
いろんな人に感情移入してしまって心が疲れました…(良い疲労感)。


短髪ツェーもまたよきかな。イケメンは何してもイケメン。
同じキャストとスタッフで撮ってる『密告・者』では丸坊主でしたね。明日観ます😌

リン役の幼女がなかなか素晴らしい演技をしていたんですが、最後の最後でちょっとね。ツェーファンの我が家的には「おいおい… 穏やかじゃねえな……」な感じでした。世間的にはすごいどうでもいい事だろうけど(笑)

こうして人は カンフーじゃない香港映画の良さも知っていくんだなぁ(ズブズブ)
はま

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