エンポリオ

レスラーのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

レスラー(2008年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

リングを居場所にファンを家族に生きた男の物語。
第一線から退きかつての輝きを失ったランディは衰えた体に鞭を打ち病を患いながらもリングに立ち続けた。
終盤のファイトシーンは涙ナシでは観ていられなかった。
ランディを演じたミッキーロークの演技、細かな所にまで工夫を感じる演出に心を奪われちらとも時計に目を向けることなく観終わっていた。
ロッカールームで服を乱雑に脱ぎ捨てたり、ゆっくりと視点が回りランディの傷だらけの背中が映されたりと観ている人間が自然と感情移入してしまい、様々な印象を受けさせられてしまうシーンが多く存在し最高のラストシーンへの組み立て方がものすごく良く出来ていたように思えた。
苦しい生活のために余儀なくされた接客の仕事場に、まさにリング入場のような雰囲気でランディが向かう演出やかつて人気を博したレスラーたちがサイン会で暇を持て余している様子が描かれることでランディの心が未だにリングに向かっていることを暗示しているように感じた。
形は違えど人前で肌を露出し何かを演じるという共通点のあったキャシディだからこそランディの心の支えになり得たのだろうと思った。
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