mz5150

ローズ・イン・タイドランドのmz5150のレビュー・感想・評価

3.4
本作品の不幸はパンズラビリンスという傑作と比較される要素が多々あることだろう。不思議の国のアリスを土台にギリアムが作る世界と少女に降りかかる不幸とその回避方法が幻想幻覚世界への逃避と同じである。アメリカが舞台でありパンズより乾いた印象とギレルモほどグロ造形美術とホラー演出は少なくあくまでも少女の信じている世界が表現される。

パンズラビリンスの不幸に抗う少女オフィリアとの違いはローズにある作為的ポジティブさだろうか。毒親に育てられた彼女には逃避は自らの空想世界と精神障害のある青年との愛情か依存に頼らざる得ない。パンズには劣るが初見の印象より良くなってる。ギリアム作品にはどうしてもパイソン的なモノを求め探してしまうのだが彼の作品中最もパイソンから離れた印象でもあった。
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