耽美ゴシックホラーとして完璧に近い仕上がりでとても楽しめた。同監督の次作「An Angel for Satan」が良かったので遡って鑑賞したのだが同作以上に好みだった。陰影を活かした撮影に隙は無く、作り込まれた美術もムード満点。古城、黒魔術の五芒星と儀式、廃虚の地下室、古文書と肖像画、せむしの予言者、鐘に吊るされた死体、女性たちの惨殺体、血まみれのシーツ、そして闇を歩く白い服の娘二人。良いカット続出でユーロ・ゴシックを存分に堪能した。脇役に配されたクリストファー・リーの存在は映画に風格をもたらしていた。