shutti

ノルウェイの森のshuttiのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
3.7
亡き親友の恋人(葉子)を幸せにしなければいけないという責任感から来る愛、それは裏返すと自分の存在証明であり自分への愛、内向きの愛といえるのでは。
一方、ミドリに対する思いはミドリへの愛、外向きの愛だと感じた。

作中で自ら命を絶ってしまう人物たちは、それぞれの理由で内向きの愛が強くなりすぎて、転覆し、自分の存在意義を失ってしまったのではないか。
旭川に行った音楽の先生も、その類の傾向があるから、自殺しちゃうんじゃないかな。

ミドリ「ワタナベくんは今どこにいるの?」
ワタナベ「え。」
ワタナベは、2つの愛の狭間(森と東京の狭間)にいるおかげ(ミドリのおかげ)で、生きることができているんだろう。

原作は読んだことないけど、映画はすごく深く暗い心の底に抱えているようなものが、映像として出てきた感じがして、すごく怖かったというのが感想。
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