上海十月

ノルウェイの森の上海十月のレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
3.3
愛、生(性)、喪失、再生と生きることを詩的に描いている。とにかく画面構成、長回し、水辺と主人公と女性の対比は、美しい。トラン監督の美意識は十分発揮できているが・・・全く持って感情移入できない。監督は、小津のファンかもしれないと思うシーンも多く、セリフ回しも小津のようだ。でも女性が着衣のまま事に及んだりするのは、不自然であり女優魂を感じませんね。そして、女性に下ネタ言わせるのは、村上流ギャグなのか???おそらく小説には、多くの背景があるのだろう。多分原作のファンには不評かもしれない。こういった話は、すでにベルトリッチの「革命前夜」「ドリーマーズ」大島渚の「日本春歌考」で語られており目新しくなかったと映画ファンとして感じますね。それこそ「東京物語」の若者版みたいな感じにも見えますね。原作者が許可を出さないのをトラン監督を引っ張り出してフジテレビも巻き込んだプロデューサーのお手柄みたいな作品ですね。プロデューサーをむしろ褒めたい。
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