Stroszek

ヘルハウスのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

ヘルハウス(1973年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

リチャード・マシスン『ヘルハウス』が原作である。

男性二人、女性二人と、『たたり』へのオマージュっぽいキャラ配置で、幽霊現象の解明が目的という点も同じである。

心理霊媒(mental medium)としてフローレンス(女性)、物理霊媒(physical medium)としてフィッシャー(男性霊媒は珍しい)が出てくるが、この二つの霊媒能力の違いはあまり詳しく説明されない。

「幽霊は姿を見せない」「気配だけで怖がらせる」「風でドアが勝手に開閉」「ドアノブが勝手に回る」「心霊体発露(エクトプラズム)の描写」「トランス状態に入る霊媒」「交霊会(sitting)」「騒霊の出現でガラスが割れる」というのはオーソドックスな幽霊屋敷物だが、「心霊体標本を集める」というのが一歩踏み込んだ科学調査の描写である。

城っぽい建物に呼び出されて何らかのスポンサーから調査を依頼される冒頭など、始まりは雰囲気満点だ。しかしアレイスター・クロウリーをモデルにしたというエメリッヒ・ベラスコの霊が低身長コンプレックスのため心霊調査参加者の足を傷つけていたという最後の理屈づけには「そ、そんなアホな」とひっくり返った。そういえば「身長2メートルを越す巨人だったらしい」と序盤でフィッシャーが述べるが、これほどどうでもいい伏線も珍しい。
Stroszek

Stroszek