チッコーネ

エクステのチッコーネのレビュー・感想・評価

エクステ(2007年製作の映画)
2.5
監督が撮りたかったのは子供向けホラーなのかしら、といった奇妙な出来栄え。
脚本はリアリティが希薄で細部は出鱈目、グロ描写も極力抑えられている代わりに、子役の登場場面が多くて長い。
大杉連演じる人物は奇怪なのだが、演出からリビドーがきれいに抜き取られた結果、ひたすら滑稽なだけだった(ただしすごく笑える)。
美容師の髪が伸びて天井に突き刺さる絵は、伊藤潤二の『屋根裏の長い髪』のパクリ。
FAXやエアコンから髪が出てくる場面は一部スローモーションで撮っているのだろうか、シュールな加工がヤン・シュヴァイクマイエル作品を彷彿とさせた。
特殊メイクの効果はいまひとつ、怖くもなければ美しくもなく、こだわりが見出せない。

女たちの活躍が主軸となった作品で、良い女もいれば悪い女も出てくる。
虐待母や美容院のトップスタイリスト、そしてエクステで死ぬ美容師など、知名度こそ低いが良い味を出す女優が、複数登場していた。