シオドマク監督のフィルム・ノワール「殺人者」(1946)をドン・シーゲル監督がリメイク。原作はヘミングウエイの短編「殺人者」。ジョン・カサヴェテスの俳優としての代表作。映画で最初にマグナムが登場した作品。
殺し屋のチャーリー(リー・マーヴィン)とリーは盲学校に押し入り依頼されたターゲット、教師ジョニー(ジョン・カサヴェテス)を射殺する。帰路チャーリーは、逃げも抵抗もせずに殺されたジョニーの態度に疑問を持ち彼の過去を調べ始める・・・元レーサーだったジョニーはギャングのジャック(ロナルド・レーガン)に依頼され郵便車強盗に加担していた。そこにはシーラという女が絡んでいた。。。
原作に忠実だった「殺人者」に比べて、本作は大幅に脚色が加えられまるで違う印象になっている。保険調査員が殺し屋コンビに、ボクサーがレーサーに変更されたことで、暴力性とアクションが強調されていた。シーゲル監督は本作でこの作風を開花し、後の「ダーティハリー」(1971)に繋がったとされる。
ただ、「殺人者」でファム・ファタールを務めたエヴァ・ガードナーがノワール屈指の存在感を放っていたのに対し、本作のアンジー・ディキンソンは態度が曖昧な演技でイマイチに感じられた。本原作の肝となる役どころなので、物語の説得性にも影響してしまったと思う。