篠田正浩監督、寺山修司脚本、武満徹音楽、岩下志麻主演ということで期待大きくして、その時代を知りたくて鑑賞。
60年代安保闘争で国と闘う学生たち、ノンポリのブルジョワ層の享楽的学生たち、腐敗した政治家とそこから恩恵を受ける大人の間で、右傾化しテロリストになっていく若者卓也を描いている。
卓也は両方の学生グループに所属していたが、卓也のニヒリズムがなぜテロリストに結びつくのかは皆目わからず。苦学生なのに当時輸入品しかなかったジーンズを穿きアクセサリーを身につけていた。ブルジョワとの交流で背伸びしていたのか。
今は国内で耳にすることのない「革命」という死語。死語と思う世代だが、こういう感覚の差異を本作に求めていた。
「デモでは内閣を倒せない、財閥しかできない」という保守党の政治家の弁に妙に納得。
黒人詩人のラングストン・ヒューズの詩が卓也を支える。
財閥の御曹司(山下洵一郎)の狂気の眼差し。タイトル「乾いた湖」とはこのブルジョワの空虚、テロリストの虚無感の両方を表していたんじゃないかと思った。
アメリカナイズされたブルジョワを非難せず、どこか憧れていて、享受と抵抗の相反する自己矛盾を描いていた。
この映画は若い芸術家たちがその時代に作ったことに意義があったんだと思う。
ジャズで始まりジャズで終わったニッポンノワール。