Maoryu002

ミラノの奇蹟のMaoryu002のレビュー・感想・評価

ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)
3.6
老女に拾われた孤児のトト(フランチェスコ・ゴリザーノ)は成長し、ホームレスの仲間たちと廃品で町を作るが、その土地に石油が湧き地主による立ち退きが始まる。トトは亡き老女から不思議な鳩を授かり、人々の願いを叶えていくが…

巨匠ヴィットリオ・デ・シーカによるファンタジー。
「自転車泥棒」「ひまわり」という重々しい作品からは想像できない、“昔々、あるところで…” から始まるおとぎ話だ。

最初は敗戦後のイタリアの困難な時代を描いているようにも感じたけど、それよりも自由や恋愛の幸福感を素直に表現した作品に思えた。
特に純粋なトトが仲間たちとともに太陽の光に喜び、ホームレスのコミュニティを築いていく様子が楽しい。

終盤、神秘的な力でみんなは節操なく贅沢品や金を求め始めるんだけど、そこに対する戒めははっきりと示されず、なんだか不思議なエンディングだった。
やっぱり、“自由に生きる様” を映像にしたかったのかな。
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