老いて死が身近になってきた中で、自分の人生の心残りを精算する旅に出る。それは西の果てから東の果てまでの長い長い旅路。トラクターでゆっくりと、色んな人たちと出会いながら、彼は兄と和解するために道を行く。
まさかすぎた。。リンチがこんな作品を撮れるなんて。。
心が癒されまくった。ずっと涙出そうだった。こんなに安心感のあるあったかいロードムービーがあるだろうか。。
いわゆる分かりやすいリンチっぽさは、冒頭の少し奇妙なやり取りと吃音症を克服した娘の話し方、危ないシーンでの炎の緊迫感くらい。
あとは、ツインピークスなどの作品で見られた一番温かい部分を拡張させて、その光の部分のみを描いた、極めて異色のリンチ作品。しかしそれが、本当に、本当に温かくて美しい。
老いも若きも、どこに行っても、誰もが温かい。善意に満ちた世界。
おじいちゃんが困った時は、優しい人たちが声をかけて助けてくれ、
心が苦しんでる人たちがいた時は、おじいちゃんが優しく手を差し伸べる。
景色も終始美しい。アメリカ中部の広々としたとうもろこし畑や、緑、赤、黄、茶と彩り豊かな森、そして旅も人生も全てを包む満天の星空。
最後の最後まで全てが本当に美しい映画。これは歳取ったら絶対観返したくなる。