映画史上、最もスローなロードムービー。
73歳の老人が時速8㎞のトラクター🚜に乗って、6週間かけて、病になった絶縁の兄に会いに行く。ただそれだけの物語。
どこまでも続くまっすぐな道。
広大なトウモロコシ畑や満天の星空。
アメリカの原風景がどこまでも続く。
それにしても、トラクター🚜は遅い。
のろのろのろのろ。ノロノロノロノロ。
でも、なぜか飽きない。気がつくと、そのノロノロが心地よくなってくる。
デヴィッドリンチの作品だと最早思えない。
そこに何の意味があるのか、それはその老人にしかわからない。彼のこだわりは彼の中だけに意味がある。そこには自分が死ぬまでにこれだけは成し遂げたい、と彼だけの理由がある。人から見たらどうでもいいことでも、彼だけにはそれが価値がある。
疎遠になった兄ともう一度、小さい頃に一緒に眺めた星空を見たい。
人生が終わるまでにどうしても成し遂げたいこと、、自分にもそんなこだわりあるだろうか?そんな一途な想いがあるだろうか? 彼ののろのろ旅を観ながら、ずっとそんなことを考えていた。
人から何と言われようとも、自分のやりたいことをじっと見つめていきたい。まっすぐに。ゆっくりと。あせらずに。