このレビューはネタバレを含みます
『オッペンハイマー』の冒頭でも解説されていたプロメテウス。ギリシャ神話で人間に火を与えた神であり、人間を作ったともされる。
エイリアンシリーズに繋がりそうな前日譚故に、人間がどうやって生まれたのかプロメテウスの正体を探る「創造」の段階を描くのは非常に神話的。
序盤の宇宙空間や惑星に降り立つ場面のＣＧは良かったし、未知の惑星に存在する人工物といったオカルト要素もあり、ＳＦ映画として面白かったが、芯食ったような面白さではなく、熱量も途中から上がりきらない。
そもそも『エイリアン』ってホラー映画だよな。人類誕生をテーマにしてるせいで、ホラー要素は皆無に近い。おまけに難解な部分も多くイマイチ消化しきれずに物語は進む。
最大のホラー要素である後頭部の長いエイリアンも、いつ登場するのか待ちわびていたが、最後の最後にカメオ出演するのみで、中途半端な熱量での登場には勿体なさを覚える。ただ「創造」が人間だけでなくエイリアンにも掛かっているなら、ああいう扱いも理解できないことはない。
こういった映画では人間の命を軽視しがちで、次から次へと危機管理に欠けた死に方で登場人物をリタイアさせていくが、いい加減止めてほしい。不満は残るが、ＳＦの観点ではそれほど嫌いじゃない。
