封切りの時見て以来数十年ぶりにふたたび鑑賞した。
ただいま、おかえり、ただいま、おかえりと繰り返しながら出たり入ったりする男の子、フランクのヴァイオリンソナタが流れるなかでの男女三人のとりとめない会話、台風一過の水びたしの校庭から突き出す二本の脚など、初めて見たときからずっとわすれられないシーン。制服を脱ぎ捨てて雨の中で踊り狂う場面もある種の法悦を感じさせて好き。
この映画が出た80年代半ばはいじめと校内暴力が大きな社会問題になっていたが、この映画はそれらを直接に描くというよりは、閉鎖的で理不尽な学校制度の枠を突き破ろうとする若いエネルギーの爆発を描いているといえるだろうか。鼻の穴に鉛筆を突き刺したり、理科の実験中に劇薬をもてあそんだり、男子中学生のバカさ加減が半端ない。先生役の三浦友和のダメ男ぶりも。
早世した相米慎二監督。もっとこの人の作品を見てみたかったです。
