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台風クラブのakiraのネタバレレビュー・内容・結末

台風クラブ(1985年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大好きな「お引越し」の監督相米慎二の有名な青春映画。「リリーシュシュのすべて」や園子温版「ヒミズ」の原点かなとも。
ハリウッドが得意な「アニマルハウス」的なぬるい青春ドラマ(つまらないとは言ってない)と、今作の決定的な違いは何か?主人公の死は重要ではない。インテリな思想が語られるセリフも正直大島風なだけで古さを呼び起こすだけ。登場人物も、誰にもあまり感情移入しづらい。それでもこの「台風クラブ」が感動を呼ぶのは、台風が来て、なぜか、クラスの子供達が変貌する。その、なぜか、の部分を映画で表現しきっているからだと思う。長回しの嵐によって。眩暈の踊りによって。主人公達の理不尽な訪れに対する表情によって。

ラストの、水溜りの校庭の画は本当に美しい。目に見えないものを見えないまま表現する作家の圧力を見れて嬉しくなった
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