akiraさんの映画レビュー・感想・評価

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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アントニオーニ「欲望」の元ネタ?
すれ違いサスペンスドラマとしての見事な構成力。小道具としての小型カメラの伏線と意外性が素晴らしい。お手本のような演出。

それぞれのキャラクターの役割と人となりが明確
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劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師(2024年製作の映画)

3.6

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声優の布陣がやばーい、、、この安定感よ、、
リアルタイムで初期を観ていた世代でしたがここまで愛されているアニメだとは知りませんでした、、土井先生ときり丸かーなるほど

懐かしいキャラ達との再会に嬉しく
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.0

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ロボットアニメの最前線なんてなまやさしい代物じゃない!
現代最強のクリエーター集団が誰か証明してやろうじゃねえかという圧倒的クオリティ、とサービス精神!!
なるほど、、まんまと騙されました、、最初から
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦前の日本を舞台に子供達の日常を淡々と描く良作、、、この題材をアニメでエンタメとして描けるとか信じられない、、、日本アニメの底力えげつない、、
とっとちゃんの目線でひたすら子供の領分を描くことで人が死
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ロスト・チルドレン: アマゾン密林を生き延びて(2024年製作の映画)

4.6

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神隠れを地でいくドキュメンタリー
アマゾンは生命を丸裸にして精霊として人間の前に現れる
四人の子供達の捜索を通して、森の深層にふれる

まず精霊に会う身体に自らを清めることから始める先住民の知恵

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.7

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エマ•ストーン演じるベラは人造人間として赤ん坊であり大人であることで、動物人間(人間は動物人間と人間人間の2つに分けられるという、友人の相方の持論。デフォー演じるゴッドは、医者は理性を失わないと諭す人>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

4.1

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凄い!
いわゆる日本のウェルメイドなドラマシリーズから本質的な意味で大島渚や押井守を継承する映画が出てくるのを初めて見たかもしれない。見事な構成力、無駄のない演出、何よりも俳優陣の見事な演技、、、観客
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.5

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サムペキンパーの「戦争のはらわた」を思い起こす戦争の「暴力」を描く。
歴史を写真におさめる使命を全うするドキュメントとしての記者(観客と同じ視点)の空虚が「暴力」として描かれている。
誰も彼もが利己的
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Chime(2024年製作の映画)

4.5

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観客が多い!
しかも若い人多め
黒澤清ファンが増えているのかな

この映画は今を刻印する未来の抽象絵画ですよ
全てを抽象的にカメラが捉えていて、五感全てを使って黒澤的抽象恐怖を体験できるように作られて
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屍者の帝国(2015年製作の映画)

3.4

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原作未読なのでまだ分からないことが多いですがいいところと悪いところがそれぞれ気になったいい映画でした

いいと思ったところ
◯ゾンビ映画(もしくはスペースヴァンパイア)のその先に挑戦していてワクワクし
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

4.2

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自分が見つけられていないだけなのか
この映画のような
若い
センスも自分の影響を受けたものも全て出し切って
伝わらなかろうと強烈に肌で感じている違和感をぶつけるような
そんなエンタメが溢れかえっていて
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.3

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藤本タツキが描いてるのかと思ったくらい原作の再現度が高いアニメ

雨や雪による道路の照り返しと、田舎の視野の広さ、そして低いアングルからの撮影
新鮮な時空を作り出す

京本のはじめのセリフ演技素晴らし
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劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(2024年製作の映画)

4.2

全てが完璧!
ぼっちちゃん超かわいいし
緊張と緩和のセンスえげつないし
ぐにゃぐにゃしててアニメオマージュオンパレードなのに自然だし
何よりもバンドの曲が神すぎるし
青春ドラマとしてもめちゃ盛り上がる
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

4.0

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ミックジャガーのポスターにキスをして、自分達を捕まえにきた大人達の車を爆破する若き純愛青春劇ー堪らないです

子供だけの世界の輝きが、社会のどうしようもなさを自然に描いているからこそ際立つカメラワーク
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

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劇場版とあるの脚本家、なるほど相変わらずいい仕事!
「墓場の鬼太郎」第一話を丹念に膨らませて芯のあるエンタメにしている
展開も演出も作り込まれている

色んな邦画のオマージュもリスペクトがあって且つ面
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「テネット」で示した最大多数の最大幸福の盲点、現代の人類を救うとして、それは未来の人類にとっても同義なのか?問題へフォーカスした今作

それをまさかマンハッタン計画の史実ものでやるとは、、信じられない
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.7

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すぐにヘンリーミラーの「北回帰線」を連想した
赤線の館「夢の里」で働く女達のそれぞれの視点と、当時の風俗街の時空やリアルを描く傑作

群像劇としての登場人物とカメラの距離感としてこれほど見事な映画は見
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(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

日本が最も栄華を極め、権威も文化も成熟した時代を築いた戦国〜安土桃山時代
その立役者達のリアルを北野武が描く


北野武についての備忘録:
同時代に生きるスーパースターの代表
誰もが常にその存在を肌で
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

夢なのか現実なのか分からない、演技なのか演技の中の演技なのか、煙草から煙草へとモノクロのフランス租界を立ち回る

スパイの虚像と愛されるより愛したい、をあいでる
うっとりする白黒映画

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

https://theghostintheshell.jp/

士郎正宗のファンとしてこれほど嬉しい記事はない。表現の極致を最先端で実現する天才の思考のカケラ
表現の教材としては何も参考にはならないが
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

メモ:ハシディストとは何かを知る最高の教材


イスラエルとパレスチナの戦争について知識を深める

◯金→資本主義は一枚岩。ここが一番のポイント。国家のために金が動くのではなく、金のために国家が動く?
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

①エンタメとしてのクオリティ
ザックスナイダーとは?大味で楽しめるジェットコースターをしっかり箱物として
最後まで作り上げる職人
どの作品でもしっかり深みのある味わいを提供する映画監督
各ジャンルの本
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黄龍の村(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「サウダーヂ」的な、何もかも空っぽの日本だからこそ生まれた最高のB級グルメ。
丁寧かつ「悪魔のいけにえ」的なフリからの、昼行燈復讐劇。滑稽ホラーかと思わせての爽快アクション。
ただただリズム感とキャラ
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SAND LAND(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

原作を超えた子供向けのエンタメ映画!
兎に角戦闘シーンが素晴らしい
キャラの魅力も十分
原作の骨太な構成ありきの見事なディテールの積み重ね

カルト(2012年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

B級ホラーの良作。とても漫画的キャラの魅力が発揮されていて最後まで目が離せませんでした。「怪物」との闘いや、呪詛返しの演出がいいチープ感でした。凄く丹念に紡ぎ出した映画。

三人の本人出演も非常にキャ
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

今年一番の傑作映画。
この題材でここまでのエンタメを作ることができる人間は森達也だけ。

この映画を観て日本人は何を感じるのか?
勧善懲悪が大好きなエンタメ中毒の現代人が観たら?

普通とは何?普通と
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特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

日常の奇跡を丁寧に描く

映画館はほぼ男性
アイドルアニメの構造を上手く咀嚼して

黄前久美子の魅力に少しフォーカスする短編

何げない会話
何げない(でも京アニ的な誇張も見える)感情芝居
京都の風景
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メリーに首ったけ(1998年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

キャラクター全員が魅力的で配役も完璧。
嘘つきでクズだけどクール。
嘘つきでクズだけど優しい。
完璧でマッチョな敵役。
誠実で真摯だけどドジで気弱な主人公。

下世話なジョークを連発するコメディの形式
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.9

これは、、泣くしかない、、、いつも使いたくなる器のような映画。。

劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(2005年製作の映画)

2.8

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どうしても「鋼の錬金術師」で鏡の国をやる必然性が弱いのが気になってしまう。原作と違うことをやるのが駄目なわけではない。監督のやりたいテーマを無理矢理ぶち込むことが必ずしも駄作に繋がるとも限らない。しか>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

○狭間の世界(以下煉獄)で海の向こうに見える帆船→茅ヶ崎で見たヨットを思い出した(友人によると富豪の高齢者の道楽だとか。宮崎駿の皮肉を感じて笑いました)

○引用のオンパレード。
自分の作品引用。
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

人は必ず間違える「原罪」を背負う存在。
でもその存在は祝福されている。
そう、、「世界」から

脚本家坂元裕二の言葉
「自分が被害者だと気付くのは簡単だが、加害者だと気付くのはとても難しい」
加虐心と
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偶然の恋人(2000年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

絶妙なキャラクター造形。
絶対についてはいけない嘘を中心に動くドラマ。その嘘をつく主人公がどんな人間なら、観客が席を立たずに感情移入できるか?

万事塞翁が馬ものの恋愛映画ってありそうでなかった。終わ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

新しいエンターテイメントをつくる。
未来の子供達の感受性と、現代の子供達の好奇心を満たす表現を確立する。
宮本茂は体現し、やり遂げている。

横スクロールによるインタラクティブなゲーム体験。誰も体現し
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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

今までになく頭でっかちだし、映像のディテールが雑(ざっくり押井守風)。哲学ぽい言葉を手段として使うならいいけど、映画そのものを犠牲にしてるから薄っぺらい。

ただ、常守朱は今までで一番魅力的だった。ラ
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

カルト新興宗教についての映画でもなんでもなく、社会の中で適応して生きられない二人の男が出会い、それぞれの存在を分かり合い、そして別れるまでのバディムービー。

二人の見えている景色がそのまま映像化され
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