にょこ

クレイマー、クレイマーのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

オープニングの音楽から一気に引き込まれ、ずっと切ない気持ちにさせられる。

初見(たぶん小学高学年くらいかな)では、ジョアンナは勝手じゃないか。
母が子供といるのは当たり前じゃないかと思って。ひたすらテッドに同情していたんですが。
いざ自分が子供を持つとジョアンナの苦悩がよくわかる。
これが1979年の映画なんてなぁ。。

母が出て行くあたりからピリつく空気感。
親が離婚した人はよく経験した空気じゃないかな。それが伝わるから余計に見ていてテッドが痛々しい。
親の離婚トラウマがあった時は、正直序盤で観るのを止めるくらい描写がリアルでした。
フレンチトーストを見ると切なくなりますね。
これまた離婚あるあるなのだけど、本当に妻に任せきりの人は台所に立てないんですよね。。もちろん全ての人がではないですけど。

『お母さんがいなくなったのは僕のせい?』
これもまたリアル。小さい子供は親の離婚=ほぼ自分のせいだと思ってしまいます。どんな親でも。

ダスティンホフマン演じるテッド。仕事が成功してれば父として夫として完璧と悲しい勘違いをしている当時の男性には良くいたタイプ。なんで自分が妻に出て行かれるのか本当にわからないんですよね。
それが息子との生活を通して成長します。

メリル・ストリープ演じるジョアンナ。 
理想の母・妻という抑圧された先入観に苦しむジョアンナを静かに演じたメルリストリープは流石の演技力。しかもめっちゃ綺麗なの。
この人の、現状、息が詰まりそうな、自分が死んでいくような感覚。
女性ならずとも、男性でも一度は経験してるのでは。
とにかくここから出ないと。自分の最愛の息子と離れてでも。
最愛の息子と離れなければ自分を確立できないことが切ない。

そして、テッドが息子との生活が上手くいった頃に来るのがまた…イラつくんですよねぇ。
ジョアンナにイラつきながらも、イラつかせるのが上手いのは、演出とメリルストリープの演技力ですけど、、

ここまで感情を揺さぶらせてくるのにラストがめちゃくちゃ爽やかだから、嫌な気分で終わらないのも、この映画の凄いところ。

沢山泣けるポイントあるんだけど、大人になってから観ると、ジョアンナに『綺麗だよ』って言うところでも泣いちゃいました。
にょこ

にょこ