ショーン・エリス監督の「ハイドリヒを撃て」がこの1年で観た中でベストだったので、遡ってこちらも鑑賞。
美大に通うベン(ショーン・ビガースタッフ)は、ガールフレンドのスージーと別れた。彼は失恋のショックで不眠症に陥ってしまう。
仕方なく24時間営業のスーパー・マーケットで深夜のバイトを始めたベンだが、そこはダメな若者たちの吹き溜まりだった。
スーパーをゲームセンターと勘違いしている二人の同僚。ボスであることに必要以上の誇りをもつ店長。カンフーの身のこなしを崩さないブルース・リーおたく。そして時間恐怖症で紅一点のレジ係、シャロン(エミリア・フォックス)。
やがて2週間も不眠が続いていたベンの頭は限界を超え、店長の罵声も遠くから聞こえるようになってくる。 そしてベンの意識に異変が起こり、突然、周囲の世界がフリーズしてしまった…。
写真家の監督だけあって、どこの場面を切り取っても絵になっている。
惜しむらくは、おふざけ満載となっているために、美麗な映像とマッチしていないように思える点。 特に脇役のバイト同僚たちの描写がテキトー過ぎて、作品の厚みが損なわれているように思う。
不眠症とストップモーションは巧く映像化されていると思うので、もっとシリアスな作風にした方が映画が引き締まったのではないかな。