そう結局ピクサーもディズニーに

オアシスのそう結局ピクサーもディズニーにのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
4.4
2019年 388本目

韓国映画はとても疎いです。
この作品を観て、イ・チャンドンの作品全て観たいと思いました。

監督が意図して伝えたいものを全て理解出来たかは分かりませんが、汚れた世界に蔓延る偏見と慢心、薄れかけている人と人の情愛、を深く深く考えさせられた。

刑務所を出所したばかり、社会不適合者の男ジョンドゥ。と、脳性麻痺の女性コンジュ。互いを求め合う二人の狂おし過ぎる愛。
しかし、そんな二人を煙たがり、邪険に扱うそれぞれの家族と周囲。

自分はこの二人と、それぞれの家族、どっち側の立場だろう?と考えてしまった。答えは分かっている。正直、自分の人間としての小ささを感じるばかり。

語弊がある言い方でしたらすみません。
健常者ですら息苦しく感じるこの世の中。障害者の方にとっての映り方はどんなものだろう。
いやいや、コンジュが度々耽る空想の映像を観る限り、彼女にとってのこの世の中の映り方は我々となんら変わらないんだろうと感じる。
人を受け入れ、受け入れられ、認めてもらいたいと駆られるのは誰もが同じ。

相手の目を見て、想いを伝えられることがどれだけ素晴らしいことか。「普通」ってなんだろうか。
「愛」が何かより、自分が持つ「愛」をどうしたいか。誰のために、どう与えたいか。
幸せかどうかを決めるのは、周りではなく二人。