Rio

百万円と苦虫女のRioのレビュー・感想・評価

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
4.2
「自分の事を知ってる人が1人もいない中で暮らしてみたいと思った事はないですか?」

百円の次は百万円!
タナダユキ監督の所在がない女子のロードムービー

娑婆ダバシャバダバ〜♪
        娑婆ダバシャバダバ〜♪

21歳の鈴子(蒼井優)は友人とのルームシェアで散々な目に遭い、実家にも居づらくなり100万円を貯め家を出て、それから100万円貯まったらまた次、次、知らない土地へ向かう
海から山へ、そして街へ
様々な職業に挑戦しながらの生活
出会いと別れ…


自分探しの旅ではない
「探さなくたって 自分はここにいますから」


離れて暮らす実家の弟たくやとの文通
近況報告
これがまたいい…
お姉ちゃんは頑張ってる
たくやも凄く凄く凄く凄く頑張ってる……

海の家でかき氷作りの天才と言われ、桃農家では桃狩りのために生まれてきたと言われる
それでも慣れてきた頃にその土地を去る

人との深い関わりを恐れ、逃げている
自分の存在を隠すような手作りのカーテン

“超ホワイティ”で“超黒髪”の蒼井優さんが最強かわいい、透明感半端ない、飾らない美しさ

海の家
「母ちゃんパーティー行ってもいい?」ゆうさく愛くるしい
名も知らぬ男、いい奴だけど「ソウルメイト」ってなんだよw

桃農家
ガラス越しのピエール瀧に警戒しつつ、緑の風呂に浸かる鈴子かわいい
笹野高史さん好き

桃娘会議
「おめぇーら都会の人間はいっつもそうだべ!
田舎はいいなんつって勝手にやってきてよぉー
田舎おちょくってんだよ!」

↑この村人は俳優さんなのか、エキストラなのか、熱演が素晴らしい!

ホームセンターの園芸コーナーバイト
店長がリアル
同い年の中島くん(森山未來)との出会い
本音で語れた人

ベランダで育てた葱
この設定◎
このシーンの笑顔◎
くすぐったくなるような恋

100万円到達間近
中島がとった行動
気持ちを確かめようと中島の家を訪ねる鈴子

沈黙……………
麦茶の氷が溶けてカランって鳴る

あーもう!!
そうじゃないんだよ!!
「何やってんですか?」
私があの真相を知ってるバイト女子の立場ならちょっと話を聞いてくれ!誤解なんだ!って鈴子追いかけて絶対に言っちゃう〜!!

ラストは
切ない切ない切ない切ない切ない切なーーーい

しかし、
鈴子の清々しい表情!!

「出会うために別れるのだと今気づきました。好きな人とお別れしたって、ちっとも泣くようなことじゃないって思いました。」

逃げず、自分の足で立って生きて行こう決意した強さの表れ

「自分の行動で自分は生きていかなくてはいけない」

自分の殻に閉じこもり、それが逃げだとしても、いろんな職業に挑戦し、知らない土地に順応できて、ちゃんと100万貯めるという目標を持って生きる鈴子は芯があってめちゃくちゃかっこいいと思う!

エンディング「やわらかくて きもちいい風」
聴きながら映画の場面を思い出して泣ける

弟と繋いだ手…
亮平と繋いだ手…

どうでもいいけど、たくやの給食の消しカス、初めて観た時しらすだと思った
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