当時のフランスではこのギャグセンスで大爆笑だったのだろうか?
とにかく、有名な突風シーンに始まり、ドタバタで笑わそうとしている所がすべて凍り付くぐらい寒い。
まるで売れない芸人がスベリまくり、どんどん力が入っていき、支離滅裂な内容を大声で叫んでお客をドン引きさせているような感じ。
60年の歳月を超えることができるギャグではなかったということだろう。
それにしてもよく「泣かせるより笑わせる方が難しい」と言われるが、そのうえ時代を超える本質的な笑いをフィルムに収めたチャップリンやキートンは本当の天才だったのだろうと再確認してしまう。
優生学を主張する博士が女に惚れたってだけのストーリーで、ド直球なのは好感が持てるが、ヒロインがきつめの顔でいまいちなのが残念。
観た後笑えたシーンを思い出せず、冷静に考えると一度も笑わなかったことに気付く作品。
余談。
人工授精が問題なのではなく優生学をにおわせている所が問題だろう。
多分そう遠くない未来には子供をデザインすることになると思う。それかその前に絶滅か……
こんなことを書くと偏った考えのマッドサイエンティスト崇拝者かと思われてしまいそうだが、冷静に考えれば行きつくところはここしかない。
歴史を見れば一目瞭然だが、人間は知ってしまったことは使ってしまうものだ。全力でその暴走を阻止しようとするのは防衛本能で、全人類が安全なら自分も安全という考えからきている。
でもその本能が働かなくなるのが戦争。で、その戦争は今まで一時たりとも地球上からなくなったことはない。
ほとんどの科学力のある国はその戦争に向け禁断の研究を続けているのは明白で、デザインされた強化人間など当たり前に研究しているのだろう。
その技術により人類が滅びるか、倫理観を変え当たり前のことと行け入れるか、二択しかないと思う。
近い未来、数百年後にどちらに転ぶのか見られないのが残念だ・・・・・
あ、でもその前に人間は進化の表舞台から去り、AIが主人公になる確率の方が大きいな。