ねこ

哀しき獣のねこのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.7
最初から最後まで何もかもが惨めだった
貧しさも弱さも純粋さもすべて利用された
そうなった理由を最後に知ったこと、それだけがせめてもの救い
訳もわからず追われ切られ棄てられては、人生の意味すらなくなってしまうだろうから

一瞬泣いているように見えるハ・ジョンウの表情が本作では特に効果的で、幸せとは無縁の哀しい男を、純朴さを残したまま演じきっている
何にでもなれるキム・ユンソクの悪魔のような不気味さもさすが
殺戮シーンは敢えて見せず、明かりが灯った瞬間現れる血塗れの男で何が起きたかを想像させるのもよかった
ただ、少しだけ内容が整理しづらかったように思う

行き着いた先が世間で言うまともな人たちなのがまた一層恐ろしい
ねこ

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