ブタブタ

ヒストリー・オブ・バイオレンスのブタブタのレビュー・感想・評価

3.5
「キモサベ!」
クローネンバーグの所謂“ ナーメテーター物”
内容的には『ジョンウィック』『イコライザー』と同じなれどクローネンバーグが撮るとこうなる。
リアルでいて同時に映画的なケレン味溢れるアクションと人体破壊描写。
顔面への掌底で鼻を潰す。
首を踏み付ける。
撃つ時は必ず頭!
トム(ヴィゴ・モーテンセン)のどう見ても普通の親父ではない冷たく渇いた眼とサイボーグの様な佇まい。
ハッキリ言って誰一人勝てない事はもうわかってるので、全編ひたすら死亡フラグの嵐。
最初の強盗二人組も「あー死ぬな...」エド・ハリスのしつこい「なあジョーイ」攻撃も「あー死ぬな...」ウィリアム・ハート「うちに来い」「あー全員死ぬな...」

原作はグラフィックノベル(漫画)で、映画とは設定がかなり違っていて映画では組織の幹部であるリッチーは原作だとトムと二人で組織の金を奪い、リッチーだけが捕まってトラウマ物の悲惨な姿で再会するのですよね。
二人で強奪作戦を決行する時、自分達をローン・レンジャーになぞらえてトムの事を「キモサベ」と呼ぶのですけど、とっくに死んだと思っていたリッチーが生きていて変わり果てた悲惨な姿で「キモサベ!遅かったな」と言うトラウマシーンは流石のクローネンバーグでも映像化は出来なかったみたいで。
(気になる方は原作読んで下さい)
あとは奥さんのチアリーダーコスプレが強烈だったのと、お約束のいじめっ子ジョックスを異常に強い息子が叩きのめすのも痛快でした。
「キモサベ!」
ブタブタ

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