Qちゃん

パリのランデブーのQちゃんのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
3.6
この頃寝起きとか仕事疲れた時の休憩にエリックロメール映画観るのにハマってます。この雰囲気と作りとテーマや会話のトーンがちょうど心地よい。あと比較的平易な仏語の会話劇だから聞き取りの練習がしやすい^ ^

ということで、ロメール6作目。
3つの短編から織りなす、パリで花咲いては散る色んなパターンの恋模様。

「7時のランデヴー」
彼との恋愛沼な彼女、彼女に横恋慕する級友の戯言、友達の適当な助言、ナンパとスリは手口が同じ、親切な女性のW奇跡。
幸か不幸かよく分かんない合致とすれ違いの重なりに、滑稽さの滲む顛末。
カフェがキーに。

「パリのベンチ」
タイプの違う陰陽の男が揃ってるからこそ調子に乗って居られる女。浮気する人間って、ほんと相手の一個人としての人格の存在を顧みてないよなーと改めて感じる。男が情けないと言う人いるが、私は普通に不憫に感じる。
あんなにいろんな庭園歩き回るのに、結局キーになるのは彼女にとって曰く付きのホテル。

「母と子 1907年」
明らかに意見の合わない男と女2人。金髪女性との会話と対して違わないのに、恋愛フィルターの乗っちゃった男と、そんな男を否しつつ面白がってる現実的な女。喰らう細やかなしっぺ返しが滑稽だが、そこに「まぁ、無駄な一日じゃなかったな」と言える根性と、ノラない時のやる気のなさから一転して発揮される行動力にアーティスト精神を見た。
キーとなる場所は美術館と自宅アトリエの双方だが、片や理想の女への燃える恋心、片や評論家に怯える画家と、女に対する印象が徐々に変わってきてるのが面白かった。
Qちゃん

Qちゃん