こたつむり

ロボコップのこたつむりのレビュー・感想・評価

ロボコップ(1987年製作の映画)
3.4
中途半端な記憶で書きたくないから再鑑賞しましたが、2016年時点で観返すのは色々と厳しい作品でありました。

まあ、今のCG技術に比べたら色々と見劣りしてしまうのは仕方がないことですし、ロボコップのコスチュームも色々なところでパロディにされていますから、真面目な雰囲気で観ることも難しいかもしれません。
また、元々が物語を楽しむタイプの映画ではないので、人間ドラマとかを期待するのも筋違いでしょう(多少はドラマ性の部分もありますが、掘り下げは少ないです)。

では、何が一番厳しいのか。

それは…敵方が魅力的でないことでしょうか。主人公を殺してしまう犯罪者もその黒幕も小物感が漂っています。やっぱり、強力な敵があってこそのヒーロー。思い返してみれば、他のヒーローが活躍する物語で面白いと思えるものには、必ずと言っていいほど魅力的な敵がいると思うんですよね。

たとえば、仮面をかぶった赤い人とか、耳にホクロが3つあって石仮面をかぶった人とか、仮面狩りを行う仮面をかぶった人とか。ああ。ロボコップばかりが仮面をかぶるだけじゃなく、敵も仮面をかぶれば良かったのかもしれませんね。

それにしても初見時には気にならなかったのですが、メジャータイトルに似合わない暴力表現だったのですねえ(というか、製作時はB級作品だったのですね!日本に輸入されたときは既にビッグタイトルであった記憶がありましたが…)。それと、劇中で出てくるテレビ番組とコマーシャルも皮肉たっぷりですね。

戦争ゲームで「やられる前にやってしまえ!」って…。今のご時世ならば劇中広告でも目くじらを立てる御方が出てきそうでハラハラです。他にもトイレの個室から足元を撮影したり、用足し中に慌てたため股間を濡らす表現とかヴァーホーベン監督らしい部分は健在でした。

と、色々と厳しいことは書きましたが、誰もが知るメジャータイトルなので観る価値がないわけではありません。1980年代後半の雰囲気を知るのも面白いですよ。
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