ゆみモン

自分の穴の中でのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

自分の穴の中で(1955年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

石川達三原作と知って「なるほど…」と少し思ったが、なんとも後味が悪い。
まさかの結末に驚いた。

「自分の穴の中で」のタイトル通り、誰も彼もが自分のことばかり。
最もゲスな(酷い)のは、三國連太郎演じる伊原だ。
一応婚約者であるらしい?北原三枝演じる多美子を(結婚する気はないと言いながら)もて遊ぶ。その裏では、堂々と多美子の義母・未亡人の伸子(月丘夢路)に迫る。伸子は歳上らしくいつも上手くかわしているが、満更でもない感じ。
多美子は伊原を拒絶するくせに、義母への対抗心からか二人が親しくするのは許せない。
病床の順二郎だけは、気の毒ではあるが、離婚した妻への未練たっぷりで、しかも株で大損を出して亡くなってしまう。

プライドが高く高飛車な言動が鼻につく多美子だが、最後に独りになってしまうとさすがに可哀想に思った。
まさかまさか、アメリカへ旅立つ伊原の隣に、伸子がいたとは…。