ジャックシューチャー

絞殺のジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

絞殺(1979年製作の映画)
3.0
絶妙な表情のあの近所のおばちゃんが良かったな~。

家庭を持つことを夢見ている人がこれを観てどんな感想を持たれるのかが非常に気になるところだ。

そもそも年齢不相応なエディプスコンプレックスと、父権制主義バリバリの父への憎悪から筆舌に尽くしがたいほどの凄まじい家庭内暴力に発展するわけなんだけども(しかも実話)、そこまでに至る動機の過程があまりハッキリと描かれてないところがミソであり恐怖。

側から見ればただの普通の一家なのに、父が言っていることもなにも道理を逸脱しているわけでもなくただ息子を思ってのことなのに、母はただ息子を愛しているだけなのに、どこでボタンを掛け違ったのかがわからない。
だからこそ主人公である勉の変貌がまさに突然変異に見えるのが心底恐ろしい。

しかも驚きなのがこれ1979年とけっこう昔の映画だけども、2016年の傑作家族映画「葛城事件」と描かれていることがめちゃくちゃ似通っていること。
いつの時代も家族・家庭の「あり方」ってのは変わらないものなのかとげんなりさせられる。

家庭を持つことについての超絶反面教育映画。
「葛城事件」(自分はこっちの方が好き。傑作中の傑作!!)と合わせてぜひ。