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噂の娘の一のレビュー・感想・評価

噂の娘(1935年製作の映画)
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老舗酒屋の“古い”長女とモダンな次女(もちろん腹違い)とその家族の話。長女・千葉早智子は自分がさっさと結婚して家を出たほうがお妾さんとの再婚もしやすいだろうと、適当なお見合いをして折りをつけようとするのだが、相手の男はくっついてきた妹のほうに惚れてしまう。ふたりが一緒にいるところを橋の下の船上から目撃する仰角ロングショットのショック。損な役回りを引き受けて一人涙する早智子…。そして、泣きっ面に蜂で警察にしょっぴかれていくダメ親父。向かいの床屋では「あそこもとうとう終わりですか」「次はなにが入るんでしょうねハハハ~」と薄情なトークが繰り広げられ「終」。なぜこんなにシニカルなのか。しかし千葉早智子は素敵だ。笑ったときの顔と笑い声がとてもいい。
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